秘密な恋愛

「先生、これって···」
芽依のママが、医師に尋ねる。

医師は芽依の様子を確認してから、
静かに答えた。
「外傷性の記憶障害の可能性があります。事故の衝撃で、記憶が部分的に抜けている状態です」


「部分的···」

「はい。すべてではなく、特定の人物や特定の期間だけ抜けることもあります」

「そんな···」

医師は一拍置き、佑陽へ視線を向けた。

「芽依さんの場合···」
そして、申し訳なさそうに言った。


「佑陽くんに関する記憶が抜けている可能性が高いです」


その言葉に、佑陽は息を止めた。
(俺···だけ?)

「もちろん、今は目を覚ましたばかりです。混乱もあるでしょう。少し様子を見ましょう」


(無理だ···)

「···すみません。俺、少し外にいます」


佑陽はそう言って、病室を出ていった。


「佑陽っ」
翔多もすぐに後を追う。