秘密な恋愛

真っ暗な暗闇の中。


何度も “芽依”

と、声がする。

泣いている声。

(なんでそんなに悲しそうなの?)

暗い。
どこまでも、音のない暗闇。

身体があるのかも、
時間が流れているのかも、
わからない。

ただ、 遠くから

“芽依···”

と 声がする。

“起きろよ···”

その声は、 何度も、何度も、
同じ名前を呼ぶ。

泣いている、必死で、堪えている声。




でもどこか懐かしい声。

そう思ったとき
一瞬 なにかあたたかさを感じた。


暗闇の中で、
なにかに触れられている気がする。

“たのむから···起きろよ···”

泣かないで···


行かなきゃ···
声が聞こえる方へ···