秘密な恋愛

その言葉に、 佑陽の呼吸が、一瞬止まった。
「目を覚まさない、ということですか···?」

芽依のママの声は、震えていた。

「はい。 回復する方もいますし、 数ヶ月、あるいは···それ以上かかる場合もあります」


ドクン。
と佑陽の鼓動が強くなる。


「···正直に言いますね」

医師は、言葉を選びながら続ける。

「今は、“芽依さん自身が目を覚まそうとする力”に 委ねるしかない状態です。こちらでは、これ以上何もできません。」


「芽依次第、なんですね···」
芽依のママの声が、かすれる。

「はい···」

それ以上、佑陽は聞いていられなかった。



(···目を、覚まさない?)


胸の奥が、じわじわと冷えていく。

それでも···

佑陽は深く息を吐き

(大丈夫···だよな。)
そう、強く自分に言い聞かせ
静かに病室の扉を開けた。