秘密な恋愛

「ふざけんなよ···」
かすれた声が漏れる。

佑陽は壁に寄りかかったまま、
視線だけで芽依を見た。

今すぐにでも起きそうな、穏やかな顔。

目を覚まさない、なんて
嘘なんかじゃないかというくらい。


「佑陽···」
翔多が名前を呼ぶ。
でも、佑陽は返事をしなかった。





「芽依···」
ようやく
芽依の元へと足を動かす。
震える手で、芽依の手に触れる。


冷たい。
(冷てぇ···)
それだけで胸が潰れそうになる。


「なぁ···」
声が、震える。

「起きろよ···」
返ってこない、返事。


機械音だけが、静かに鳴り響く。

「っ···」
息を吸ったのに、 喉が詰まって言葉にならない。
思わずしゃがみ込む佑陽。

「頼むから···目、開けて···」
握った手に力が入る。

「芽依···っ」