秘密な恋愛

一方、芽依が運ばれた病院では···


病室には、機械の電子音だけが響いていた。
ベッドの上には
まるで眠っているみたいな芽依。

「芽依···っ」
由奈は芽依の手をぎゅっと握ったまま、
何度も、何度も名前を呼んでいた。

握り返してほしい。
ただそれだけなのに。
でも芽依の指先は冷たくて、
反応は返ってこない。


その隣では翔多が、
立ったまま何も言えずにいた。

「···由奈」
翔多が小さく声をかけると、由奈は
ぽたぽたと涙を落としながら、首を振った。


「やだ···芽依、起きるよね···?

息をするたびに、胸が痛い。
由奈は芽依の手を、さらにきゅっと握る。

「お願い···芽依···」


その時
廊下の方から、
誰かが走ってくる音が響いた。

バタバタ、と焦った足音。
そして、乱暴なくらいの勢いで

ガラッ
ドアが開く。

「···芽依っ」

息を切らし入ってきたのは···

「佑陽···」
翔多がぽつりと呟いた。