秘密な恋愛

飯田が運転する車の中。

窓の外の景色が流れていくのに、
佑陽の中では時間だけが止まっているみたいだった。

「···っ」
息を吸っても、肺の奥まで入ってこない。

そんな佑陽に飯田は
「佑陽、深呼吸しろ」

「···してる」
絞り出すような声。
強がっても、震えは隠せない。
飯田は前を見たまま、小さく笑った。

「できてねぇよ、それ」



「なぁ。弱音吐くけど黙って聞いてて」

佑陽の言葉に何も言わない飯田。

「正直めちゃくちゃ怖い。芽依がもし···」


“はぁ”
と飯田は息を吐き

佑陽の髪をくしゃっとし
「そんなこと。少しでも考えるな。」

「···っ」
ぐっと涙を堪える佑陽。

「お前が信じなくてどうすんだよ。」

「わかってる。そんな事···わかってる」


「あの子が、お前置いていくわけねぇだろ」
とふと優しい表情を向ける飯田。

(芽依····)