秘密な恋愛

『芽依?同級会いつ終わるの?』

時間は20時すぎ。
芽依のママが心配するのも当たり前だ。

「すみません。俺、佑陽です」

『えっ!?佑陽くん?』

電話の向こうで驚くママ。

(嘘つくの嫌だけど··)

「連絡遅くなってすみません。同級会の途中で、芽依さんが体調悪くなったみたいで。俺、迎えに行ったんです」

『え…芽依、大丈夫なの?』


「途中からだいぶしんどそうだったんで··無理させたくなくて。今、俺の家で休ませてます。すみません、今寝ちゃってて···」

『そう…びっくりした。病院は?』

「今は落ち着いて寝てるんで、大丈夫そうです。
もし熱とか出たら、すぐ連絡します」

『…ありがとう。佑陽くんがいてくれてよかった』
少し安心したような、芽依のママの声。

『ごめんね、芽依が迷惑かけちゃって』

「いえ…こちらこそ。俺から連絡するの遅くなってしまって、すみません·」

『大丈夫よ。芽依のこと、お願いね?』

「はい。」
通話が切れる。


佑陽はスマホを下ろして、

「…はぁ」
と小さくため息をついた。

そっと芽依の髪を撫でる。
(俺の気も知らねぇで、気持ちよさそうに寝てるし)

そう思うのに、苛立ちは不思議と湧かない。
胸の奥がじんわり温かくなるだけだった。