秘密な恋愛

拓海が去ったあと。

夜の公園に残ったのは、冷たい風と沈黙だけ。
佑陽は芽依を抱き寄せたまま、
ベンチからしばらく動かなかった。

腕の中の芽依は、眠そうに目をこすりながら
「ん··さむいぃ···」
と小さく呟き、
さらにぎゅっと佑陽にしがみつく。

その感触だけで、
佑陽の胸の奥がきゅっと熱くなる。

(だから心配したんだよ···)

佑陽の中で
拓海の
「まだなんもしてねぇ」
って言葉が、頭から離れない。


ふと、ぼやっと芽依は目を開けて

「佑陽くんだぁ」
と笑いかける。

その笑顔に、少しだけ佑陽の怒りが溶けた。


「うん。俺だよ。迎え来た」


「会いたかったよ?」
ふわっとした笑顔。

その無邪気さに、
佑陽の心臓が痛いくらい鳴る。