秘密な恋愛

そして。

“篠宮花菜 引退か?”

という文字が
連日ネットやニュースを騒がせていた。


当然、花菜の会見を佑陽も見ていた。

同じモデルの立場だからこそ、
今の花菜がどれほど追い込まれているか、
どれほど苦しい状況にいるか。
わからないはずがなかった。

(…辞めんのか。モデル)

胸の奥に、モヤッとした感情が残る。
佑陽は、モデルとしての花菜を
本当に尊敬していた。

カメラの前に立った瞬間、空気が変わる。
さっきまでの彼女とは別人のように
表情が切り替わり、

視線ひとつ、指先ひとつで、
見る者を惹きつける。


誰にでも、簡単に真似できるものじゃない。

(あいつが、あんな形で終わるのかよ…)

そう思うと、どこか納得がいかない佑陽だった。