リュックを持ち
佑陽は廊下を歩き出すと
後ろから
「あ、いたいた。佑陽、これ忘れてる」

と忘れ物を渡しながら声を掛けるのは
佑陽の親友、橘翔多。

「悪ぃな」
「はぁ、俺も帰ろっかな〜」
「は?嫌味かそれ」
「冗談だって笑。 じゃ、頑張れよ〜」
と翔多は“ポンっ”
と肩を叩き
教室へと帰る。


歩きながら
ふと佑陽は先程の芽依との事を思い出し
ふと笑う。

(あんなにばら撒くやついないよな。)

たまにドジをする芽依。
そんな芽依を
“可愛いな”
と心でふと思う佑陽。