秘密な恋愛

「じゃあな」
それだけ言って、背を向けるハル。

花菜は追いかけなかった。
ドアが閉まる音がして、
スタジオには静けさだけが残る。
花菜は、しばらくその場に立ち尽くし··
そして静かにスマホを握りしめた。

心に浮かんでいたのは、
未練よりも、悔しさ。
(…それでも、終わらせるつもりはないよ)
花菜は、まだ諦めていなかった。



スタジオを出て
どこか心が落ち着かない
ハル··佑陽は屋上でぼーとする。

スマホをじっと見つめ··
画面には芽依の電話番号。

(落ちつかねぇからって···芽依にかけていいのか?)

どこか芽依にかけていいのか
躊躇する佑陽。
でも心では
“芽依の声が聞きたい”
とそればかり思い
気づけば通話ボタンを押していた。