今宵、シンデレラのベールの秘密。

――「あれ、天寧ちゃんだ?」


柔らかい心地いいアルトの声がして顔を上げる。


……え…?


「翔、さん…?」


「うん。どうしたの?目、赤いよ」


嘘…慌てて再びハンカチを押し付ける。


目元を覆って隠した。


「これ、飲んで」


そういって差し出してくれたのは水が入ったペットボトル。


翔さんの優しさに心が和んでいくのが分かった。


だから、何も疑いなんてしなかった。


単なる優しさだと思い込んで、受け取った。


そして私は水を口にした。


後に待ち受ける未来なんて知る由もなく。



「……やっと、俺のモノだ」


そんな呟きは呪いに変わっていくのだった。