今宵、シンデレラのベールの秘密。

「……天寧」


再びドキッとする。


う、うそ…気づかれて…


手をぎゅっと掴まれてゆっくりと振り返ると、そこにはいつもの黒崎先輩がいた。


咄嗟のことに軽いパニックになる。


「ご、ごめんなさい…!そ、それじゃあ…!」


それだけ言うと走るように逃げてきてしまった。



角に隠れてそっと息を吐く。


…っ嫌われたよね……絶対…。



感じ悪かったもん……


追いかけてくることはなく何だかほっとしている自分がいた。


あれこれ考えていると頬に一筋の涙が伝っていることに気づいた。


誰かが来たらまずい…そう思い慌ててハンカチを取り出して目元を押さえた。


もう、元には……戻れない、よね……。