心は晴れているはずなのに、なんだか重く、どんよりとしている。
気分転換に散歩にでも行こうかな……。
廊下の途中高橋さんに声をかけた。
「あの……散歩に行きたいんですけど…」
「散歩!?何言ってるんです!?まさか、お一人で行こうだなんて思って……」
「え…っと」
「駄目です!駄目!この婚約期間は狙われる確率が一気に高くなるんです!」
婚約期間って……翔さんとの…?
そういわれるとまたなんだか虚しくなって一気に気持ちが沈んだ。
「やっぱり…大丈夫です…ありがとうございます…」
「え?お嬢様!?お嬢様……ちょっと…」
後ろで高橋さんの戸惑う声が聞こえたけれど振り返らずに自分の部屋に戻った。
独り、静かで冷たい夜に涙を流した。



