今宵、シンデレラのベールの秘密。

「決まったことは決まったんだ。お前の気持ちなど聞いてない」


呆れたように立ち上がり窓の外を見るお父様。


「………っ」


「……お前が…唯一役に立てることなんだ」


私が……お父様たちの…役に立てる…。


「…それでも口答えするのか」


「いえ……ごめん、なさい…っ」


パタン、と閉めたドアが虚しく感じた。


そうだった。ここは…そういう……。


「っ……ふ…っ」


だから声を殺して泣いた。


立ち上がって無我夢中に走って家を出た。


夜だからお手伝いさんもいなくて案外あっさりと出られた。


帰りたく、ない……。初めてだ。一人で家を出たのは。


帰らなくても帰っても、どうせ一緒だから……。





もう、どうでもいいや。



……この時から運命は少しずつ、動き出していたのだろう。