今宵、シンデレラのベールの秘密。

我慢、しないとっ……


こんなっ、ときなのに………



黒崎先輩の顔が浮かんでは消えた。


あの優しい瞳を…ぬくもりを思い出してしまうのは…何で?


この感情の名前は何?



……分からない。


嫌だ。嫌……っ。


どうなったっていい。


お姉様とお父様がこの婚約で少しでも楽になれるなら。



どうなったっていい。そう、思ってた。



なのに……確かにそう思ったはずなのに…



こんなにもあふれてしまう涙は……なんで…嘘をついてくれないの…。


白いグローブが涙でシミを作った。


一つ。



また一つ。


二つ。


渦を巻くように……広がっていく。


「っ……ごめん、っ天寧」



そんな言葉が響いてゆっくりを顔を上げる。


下を向いて苦しそうに顔を歪めた翔さん。



何で……そんなに…苦しそうな顔するの……。