今宵、シンデレラのベールの秘密。

「朝日奈様、お待ちしておりました」


スーツに身を包んだ男の人が深く頭を下げた。



「ご案内いたします」


そう言われてついていくとそこは個室で”椎名様”と書かれたプレートがあった。


椎名グループの人だもん……当たり前だよ…。



私……これから…婚約するんだよ?


しっかりしなきゃ。


覚悟をしなきゃ。


「こちらでございます」



ゆっくりと。覚悟を決めるように。


息をいっぱい吸い込む。


「ありがとう、ございます」


「失礼いたします」



それだけ言うと去って行ってしまった。


いつの間にかSPさんもいなくなって完全に一人の状態だった。



……私は…


私なりの…感謝を…伝えなきゃ。