今宵、シンデレラのベールの秘密。

「……では…メイクさせていただきますね」


鏡に映る自分に向かって静かに頷いて見せた。


高橋さんは手際よく華やかなメイクを施していく。


「大丈夫です、お嬢様。相手の方はお優しいと聞いておりますし」


不安なのが顔に出ていたのか高橋さんが鏡越しに暖かい笑みを浮かべる。


「…ありがとうございます…」


いい加減、覚悟しないと。


こんな…浮かない顔でお見合いなんてしたら呆れられちゃう。


控え目だけれど上品なピンクメイクに耳元で揺れる星のピアス。


「本日のドレスに着替えましょう」


「…はい」





オフショルダーでひざ丈のお花が散りばめられたゴールドっぽい落ち着いた色のドレス。


可愛い……けど……。


「よくお似合いですよ、お嬢様。きっと今日のお見合いも上手くいきます」


上手くいってほしいのに…


心のどこかで……上手くいかなかったらいいのに…って思ってる。


…最低、だなぁ。