今宵、シンデレラのベールの秘密。

肩に寄りかかりながら眠る彼女の伏せられたまつげをじっと見つめた。


彼は教室の窓からのぞく月明かりをぼうっと眺めた。


綺麗な満月で、中にはウサギがいそうだ。


静まり返った教室に響くのは綺麗な寝息。


静かに時を紡いでいく。


もう、あの頃に戻ることはなく、ただ進んでいく。


誰しも、過去に後悔という名の未練など一つや二つあるのではないか。


彼はふと思い出した。


小さいころの彼女が最後に差し出してきたシトラスの香水。


最後に差し出すものがシトラスの香水だなんて変わった子だった。


彼女はふわり、と笑いながら言った。