今宵、シンデレラのベールの秘密。

腕の中でひたすらに泣きじゃくる天寧は見てるだけで痛々しかった。


このまま、攫ってしまいたい。


そこまで思いかけて思考を止める。


叶わない恋。他の男に渡すなんて考えられないほど愛している。


二人で知らないところに行ってしまいたいくらい。


天寧の婚約相手が翔だということにも、玲真にも。


天寧の友達とか……篠宮だったか。


全員抹殺したいくらい。


――愛している。


婚約なんて天寧の隣に自分じゃない誰かがいると思うと嫉妬で狂いそうだ。


天寧の想いが俺に向くことはないのだ。


そもそも、俺のことなんて覚えていない。いや、当たり前か。


もう昔のことだ。


俺のものだと言えたら。


天寧のものになれたら。


それ以上のものなんて要らない。


天寧さえ、いてくれれば。何も要らない。


鎖骨に残されているキスマークだって三人がつけたもの。


その事実だけで嫉妬で狂いそうになる。


天寧のすべてが俺になってくれたら、いいのに。


俺だけでいっぱいになってくれたら。


これ以上、望むことなんて…無いのに。