今宵、シンデレラのベールの秘密。

夜。時刻は十時。


こんな時間にこんなことするなんて、この前から私はかなり大胆になった、と思います……。


だって、この家から抜け出そうとしてるんだもん……。


お手伝いさんも帰ってしん、と静まり返ったホール。


恐る恐る音をたてないように階段を一段一段降りていく。


――黒崎くんのブレザーを片手に。


なんとか厳重すぎるセキュリティーを交わして脱出成功、と言ったところ、なのかな……。


なんでこんなことをしているかというと……あの名簿に「黒崎」という名前が――あったから。


この学校に黒崎くんはいる。


でも、昼間、学校に現れることは一回もなかった。


だったらもう、最初に出会った夜の学校しかない、そう思った。


そして、純粋に黒崎くんに会いたかった。


バタバタしてまともにお礼も言えないまま終わっちゃったから。


今日で抜け出すのは最後…だから、許してください、神様、仏様……!