今宵、シンデレラのベールの秘密。

俺は知っている。



漣の、痛いほど、苦しいほどに狂わしい愛しさであふれる瞳と、彼のねじ曲がった愛。



「……余計なことをするな」


酷く冷たく、低く発せられたその声に痛いほど歪み合ったものが隠れていること。


きっと、あの椎名グループの奴よりも漣のほうが何倍も何千倍も歪み切っていることも。


「……ははっ、本当早く素直になればいいのに」


わざと、あざ笑うように笑って見せる。


それでも表情一つ変えることなくただ、黒で満ちた瞳が俺を映している。


一瞬囚われているかのような感覚になるのは、もう慣れた。



出会ったときから、笑いもせず、泣きもせず。


人間じゃなかった。



感情に任せて手を振ることもない。


ただ、暗黒の瞳が突き刺すように相手を見つめているだけ。


それなのに、何か隠されているかのような瞳が恐い。