今宵、シンデレラのベールの秘密。

「……忘れなさい。お母様のことなんて……」


冷たい目で睨むようにそう吐いたお姉さま。



「なんて……って…!私にとっては…っ」



「…貴方の婚約の話はもうないから」


低くその場を凍り付かせる声が私に突き刺さった。


「私は…お母さまが……お姉さまたちが望んでいることを……っ」


「誰もあんたの婚約のことなんて望んでないわ。お母様だってもうこの世にいないのよ?」


「っ……」



「最初から誰も貴方に何も期待なんかしてないわ」


「でも…っ」



「………言い聞かせときなさい」


軽く高橋さんに視線を移すとそう言い放った。


「…わかり、ました」


それだけ残すとそのまま去っていった。