今宵、シンデレラのベールの秘密。

安心したら膝の力が抜けてへたり、と座り込んでしまった。


駄目だ…立たなきゃ。



帰らなきゃ。


「……少し」


ぼそり、とそう呟くと膝裏と背中に手が回った。


すると軽々しく体が宙に舞った。


え………?



血だらけの手が目元を覆うから何も見えないけれど。


こ、これは……お姫様抱っこ?



緊迫した状況に置かれているはずなのに、全身が熱くて、緊張のドキドキじゃない。


胸が高鳴る、みたいなドキドキ。


不正、脈…?


急ぎ足で揺れる腕の中。


安心と安らぎで静かに目を閉じた。