翌朝。
旅館の窓から差し込む朝日がまぶしくて、
あやめは布団の中でもぞもぞ身を縮めた。
(昨日の夜……優真、近かった……
あんなふうに抱きしめられたら……誰だって意識するよ……)
思い出すだけで顔が熱くなる。
そこへ——
ガラッ!
美桜が勢いよく襖を開けた。
「おっはよー! って、あれ? あやめ……顔赤くない?色っぽくなってるし」
「な、なんでもないよ!!」
「ふーん……」
妙な目をして、じーっと見つめてくる。
(やばい……バレてる……)
美桜は荷物も持たずに布団の横へドスンと座った。
「ねぇ。質問タイムしていい?」
「えっ、いきなり?」
「当たり前でしょ。
昨日の混浴のあと、あのイケメン軍団の誰かといたでしょ」
(えええ……なんで分かるの……!?)
美桜は間髪入れずに畳みかけてくる。
「じゃ、まず聞くね。
あの五人の中で、誰かと二人きりになった?」
「……っ」
沈黙=YES。
美桜の目が鋭い。
「はい確定。
じゃあ次。どのタイプと?」
「ど、どのタイプって……」
「長男の完璧クール
次男のツンデレ体育会系
三男の無口ガード固め
四男の王子様系
五男の甘えんぼ癒し系」
言い当てすぎてて逆に怖い。
「……う、優真……かな……」
美桜が布団をバンバン叩く。
「やっぱりそうじゃん!! あの子だけ異常に視線甘かったもん!!」
「み、美桜見てたの!?」
「そりゃ見るでしょ。混浴よ? あんなミラクル見逃すわけないじゃん!」
美桜はさらに目を細める。
「で? なにがあったの〜〜? ねぇ〜〜? 教えて〜〜?」
(え……どうしよう……言うべき? 言わないべき?)
あやめは枕に顔を埋めながら震え声で告白する。
「……髪、拭いてくれて……
その……抱きしめられて……
なんか、甘いこと言われた……」
美桜
「甘いことってなに?」
「い、言えない……!」
美桜は笑いながら転がる。
「ちょっと! やばいじゃんそれ!!
優真くん、見た目ふわふわなのに攻めタイプだったの!? ギャップ!!!」
完全に楽しんでいる。
「でもさ、あやめ」
美桜が真顔になった。
「本命、決められる?
あの五人ってタイプ全員違うし……
正直、全員あやめのこと好きじゃない?」
心臓がぎゅっとなる。
(……どうなんだろう
誰が本命なんて……今はまだ全然分からない)
「わ、私は……まだ分かんない」
正直にそう言うと、美桜は優しく笑った。
「そりゃそうだよ。
あんな破壊力のある五人と一緒に暮らしてるんだもん」
「破壊力って……」
「でも、一つだけ言えるよ」
美桜はにこっと微笑んだ。
「誰を選んでも、幸せになれる顔してたよ? 五人とも」
胸がキュッとなる。
「焦らなくていいよ。
あやめはあやめのペースで、誰を一番好きなのか確かめなよ」
その時、襖の向こうから陽太の声がした。
「おーい! 朝飯できたぞー! 美桜ちゃんもこいよ!」
続いて優真の声。
「ねぇあやめちゃん! 早く食べよ〜!」
律
「朝食は温泉卵が名物ですよ」
蒼真
「部屋、迎えに来た」
海斗
「お嬢様、皆が待っています」
五人の声に、美桜が笑った。
「ほらね。
……あれだけ呼ばれてる時点で、答えは簡単じゃないよ?」
あやめは胸に手を当てて、
ゆっくり深呼吸した。
(本命……誰なんだろう)
旅館の朝日が眩しくて、
胸の奥のドキドキがまた強くなる。
旅館の窓から差し込む朝日がまぶしくて、
あやめは布団の中でもぞもぞ身を縮めた。
(昨日の夜……優真、近かった……
あんなふうに抱きしめられたら……誰だって意識するよ……)
思い出すだけで顔が熱くなる。
そこへ——
ガラッ!
美桜が勢いよく襖を開けた。
「おっはよー! って、あれ? あやめ……顔赤くない?色っぽくなってるし」
「な、なんでもないよ!!」
「ふーん……」
妙な目をして、じーっと見つめてくる。
(やばい……バレてる……)
美桜は荷物も持たずに布団の横へドスンと座った。
「ねぇ。質問タイムしていい?」
「えっ、いきなり?」
「当たり前でしょ。
昨日の混浴のあと、あのイケメン軍団の誰かといたでしょ」
(えええ……なんで分かるの……!?)
美桜は間髪入れずに畳みかけてくる。
「じゃ、まず聞くね。
あの五人の中で、誰かと二人きりになった?」
「……っ」
沈黙=YES。
美桜の目が鋭い。
「はい確定。
じゃあ次。どのタイプと?」
「ど、どのタイプって……」
「長男の完璧クール
次男のツンデレ体育会系
三男の無口ガード固め
四男の王子様系
五男の甘えんぼ癒し系」
言い当てすぎてて逆に怖い。
「……う、優真……かな……」
美桜が布団をバンバン叩く。
「やっぱりそうじゃん!! あの子だけ異常に視線甘かったもん!!」
「み、美桜見てたの!?」
「そりゃ見るでしょ。混浴よ? あんなミラクル見逃すわけないじゃん!」
美桜はさらに目を細める。
「で? なにがあったの〜〜? ねぇ〜〜? 教えて〜〜?」
(え……どうしよう……言うべき? 言わないべき?)
あやめは枕に顔を埋めながら震え声で告白する。
「……髪、拭いてくれて……
その……抱きしめられて……
なんか、甘いこと言われた……」
美桜
「甘いことってなに?」
「い、言えない……!」
美桜は笑いながら転がる。
「ちょっと! やばいじゃんそれ!!
優真くん、見た目ふわふわなのに攻めタイプだったの!? ギャップ!!!」
完全に楽しんでいる。
「でもさ、あやめ」
美桜が真顔になった。
「本命、決められる?
あの五人ってタイプ全員違うし……
正直、全員あやめのこと好きじゃない?」
心臓がぎゅっとなる。
(……どうなんだろう
誰が本命なんて……今はまだ全然分からない)
「わ、私は……まだ分かんない」
正直にそう言うと、美桜は優しく笑った。
「そりゃそうだよ。
あんな破壊力のある五人と一緒に暮らしてるんだもん」
「破壊力って……」
「でも、一つだけ言えるよ」
美桜はにこっと微笑んだ。
「誰を選んでも、幸せになれる顔してたよ? 五人とも」
胸がキュッとなる。
「焦らなくていいよ。
あやめはあやめのペースで、誰を一番好きなのか確かめなよ」
その時、襖の向こうから陽太の声がした。
「おーい! 朝飯できたぞー! 美桜ちゃんもこいよ!」
続いて優真の声。
「ねぇあやめちゃん! 早く食べよ〜!」
律
「朝食は温泉卵が名物ですよ」
蒼真
「部屋、迎えに来た」
海斗
「お嬢様、皆が待っています」
五人の声に、美桜が笑った。
「ほらね。
……あれだけ呼ばれてる時点で、答えは簡単じゃないよ?」
あやめは胸に手を当てて、
ゆっくり深呼吸した。
(本命……誰なんだろう)
旅館の朝日が眩しくて、
胸の奥のドキドキがまた強くなる。

