「ひっなこー!」
「わっ⁉︎」
明るい声とともに、誰かが背後から抱き着いてきた。
なに⁉︎ 敵襲⁉︎
おびえて振り返った私だったけど、なんてことない。
そこにいたのは、クラスで一番仲が良いルミ子だった。
私はあやうく落としかけた荷物をかかえ直して、
「急に飛びついて来たら危ないよ」
「ごめん、ごめん。テンション上がっちゃってさ!」
ルミ子は、てへっとお茶目に笑う。
今日もルミ子は、ティーン向け雑誌の表紙を飾れそうなオシャレな服装だ。
ジャージ姿で髪を一つにまとめただけの私とは、大ちがい。
「あっ、アオくんもこんにちはー!あいかわらずの美少年ね!」
「……はあ、どうも」
目をハートにするルミ子に、アオはなんでもないみたいに言う。
たぶん、言われ慣れてるんだと思う。
アオはママに似てきれいな顔立ちをしているから。
ルミ子だけじゃなくて、私の同級生や近所のおばさんは、みんなアオにメロメロだ。
おかげで、おかずのおすそ分けがもらえたりする。
グッジョブ、アオ!


