「すっごーい!」
どこからか、パチパチとはくしゅが聞こえてきた。
見れば、私のすぐそばに同い年くらいの男の子がしゃがんでいた。
「えっ、だれ⁉︎いつからそこに⁉︎」
キャップの上にパーカーのフードを目深に被ったその子は、マンガみたいに目が大きい。
おまけに女の子顔負けのかわいさで、その笑顔は太陽みたいにまぶしい。
「姉ちゃんのエチュードがはじまってから、最初から最後まで、ずっといたよ」
親切に教えてくれるアオだけど、その情報は聞きたくなかった。
顔を真っ青にする私とはうらはらに、
「おれ、感動しちゃった!」
「えっ?」
小柄なその子は、宝石みたいにきらきらした目で私の手をにぎる。
男の子に手を握られることなんてないから、ドギマギしてしまう。
それにこの子、いちいちきょりが近い!
美少女フェイスでぐいぐいせまられると、心臓がむだにドキドキしてしまう。
「きみ、名前は⁉︎ おれは、桜坂 光。よろしくね!」
「え、っと……。ごめんなさい、もう行かないと!」
この子には、私が子どもの前で戦隊ヒーローごっこをしているのを見られてしまった。
名前を知られたら、不審者として指名手配されてしまうかもしれない!


