きらめきスポットライト


「うわーん!」


どこからか、子どもが泣く声がした。

顔を見合わせた私たちは、その声に引き寄せられるように公園をのぞく。



「いだい〜!にいちゃんが、押したぁ!」

「ちょっと、ケン!小学生にもなって、なに弟泣かせてんの?謝りなよ!」

「はあ?ちょっと小突いただけだろ。お前いつも、大げさなんだよ!」


すべり台の前には、小学校低学年くらいの男女二人と、さらに年下の男の子が一人いた。

泣いている男の子を見ると、今よりずっと幼かった頃のアオのことを思い出す。


ケンと呼ばれた男の子は、女の子に責められてバツが悪そうだ。

軽くあたりを見渡してみるけど、親御さんは近くにいないみたい。


「うわぁああん!おにいぢゃんなんか、ぎらいだもんー!」

「わっ、泣かないでってば。ほら、カメレオンレンジャーの人形だよ」

「いらないもんー!」


一向に泣き止まない男の子に、女の子は困り果てたように視線をさまよわせる。

そして、公園の入り口からその様子を見ていた私と、パチリと目が合った。

うっ、もしかして、助けを求められてる……?