「まあ、あんたの外見のことは、あとでたっぷり話すとして。とりあえず、アクセルのライブに行くわよ!」
「わっ、離してよ。行かないってば!」
「いいから、行ーくーの!」
私と一緒にライブに行きたいルミ子と、絶対に行きたくない私。
つな引き状態になっていると、
「ルミ子さん。おれ、腹減ったから帰りたいんだけど」
見かねたアオが、助け船を出してくれる。
「あら、そうなの?なら、仕方ないわね」
「ぎゃっ⁉︎」
ルミ子が急に手を離すものだから、私は反動で地面に尻もちをつく。
「やだ、だいじょうぶ?アオくんにご飯を作る大切な手はケガしてない?」
「あの、私の心配は……?」
ルミ子ってほんと、うちの弟の顔が好きだよね……。


