きらめきスポットライト


「“彗星のごとく現れ、嵐のように去って行った天才子役!その名演技は、今もなお業界人の間で語り継がれている"って、この前、テレビで紹介されてたわよ?」

「げっ。知らなかった……」

「きらら時代のひなこ、ほんっとかわいかったわ〜!目が大きくて、まつ毛が長くて、マシュマロほっぺで!その輝きは何カラット⁉︎って感じだったもの。七歳にして、お人形さんみたいに完成された顔してるって、番組の出演者も絶賛してたし」



うわっ、このパターンはあれだ。

夢見る乙女みたいに手を組むルミ子に、私は身がまえる。



「それに比べて、今のひなこときたら!顔バレ防止か知らないけど、こんなダッサイびん底メガネと三つ編みおさげやめなさいよ!」

「ぎゃっ⁉︎私のメガネ!」



やっぱり、ダメ出しの前ふりだった。

って、メガネを取られるのは困るよ!返して!



「それに、そのジャージ!もっとオシャレしたら、絶対かわいいのに。ほんっと、宝の持ち腐れ!」

「ジャージは動きやすいからで……。分かったから、返してってば!」



そのメガネは、もはや私の身体の一部なの!

女優時代のママの変装道具の一つでもあるし。

そのメガネをかけていると、ママに守ってもらえるような気がする。