空がオレンジ色に染まる頃——

私は、いつも通り図書館に向かう。

部活もやっていなくて、勉強を打ち込む日々。

私は、静かなせいで友達が少ない。

もちろん恋の相手にもされない。

しょうがないけど、青春感じられないな—なんて。

恋愛なんて、恋愛小説を読むことぐらいしかできない。

あーあっ。

そんなこんなで絶望していると、図書館についた。

ここの図書館は、隣に県立図書館があるから人があまりいない。

でも、私は一人で静かに勉強する方が好きだなーって。

いつも空っぽな靴箱に私の靴を入れる。

やっぱりいな..

「え!?!?」

思わず大きい声を出してしまった。

なんと、大きめのスニーカーが置かれていたからだ。

ここ何ヶ月か、私以外に来る人がいなかったのに!

誰が、来たんだろう..。

ちらっと、図書室を見てみる。

そこには..。

勉強をしている永井くん!?

永井くんは同じクラスで、私と同じで結構静かなタイプ。

私の気配に気づいたのか、こっちを見つめる。

「お、やっほー。」

「こんにちわっ、!」

「勉強しにきたの?」

と、にこにこ笑顔。

ちょっと待てよ。

永井くんの笑顔を初めて見たかもしれない。

んふ、可愛い。

「はいっ。」

「そっか、一緒だね。」

「うんっ。」

「あ、そうだ、ここ空いてるから隣来て?」

そう言って、隣の椅子をぽんぽんっと叩く。

「分かりましたっ。」

ぽんぽんされた椅子に座って、トートバッグから教科書とノートとペンケースを取り出す。

あとは、歴史の本か。

椅子をたって、歴史の本を探しに行く。

えーっと、えーっとあった!

あ、まって、

とっ、取れない。

身長155cmの私にはっ。

てことは..

永井くんに取ってもらうしかないよね!!?

永井くんの椅子に行こうと後ろを振り返ると..

「わっ!!」

「わわ!!」

永井くんが驚かせてきた。

「び、びっくりしたぁ..。」

「あはは、ごめんごめん。可愛くてさっ。」

「大丈夫ですっ!ん?」

今可愛いって言った?

気のせいだよね?

「じゃあ取ってあげる。」

「わー!ありがとうございますっ!!」

永井くん優しいなっ...なんて思ってたら!?

『ドンッ。」

「へ?」

本棚に向かって手をのばしている..?

これは、もしや..

かっ、かっ、壁ドン!?!?

いや、本棚ドン!?

なんか今日の永井くんいつもと違うよ!?

そのあと、手を伸ばしたところから、歴史の本を取ってくれた。

「はいっ。」

「ありがとうございますっ。」

いや、壁ドンじゃないか..。

「ねぇねぇ。」

「ん?」

「今の壁ドンだと思ったの、?」

「あっ、えっと..。」

なんか、恥ずかしいな..笑

「はっ、はいっ。」

「んふ、可愛いっ。」

今のは、確実に聞こえてしまった..。

「可愛い」って。

私可愛くないよ!?

でも、「可愛い」なんて、全然言われたことないから、嬉しくって胸がぽかぽかする。

「ありがとうございますっ。」

なんて、言う頃には私の顔は真っ赤。

「顔真っ赤。」

「あはは..。ですよね。」

「じゃあ戻ろっか。」

「はいっ。」

さっきのことがまるでなかったように、てくてくと戻る。

なんか、嬉しかったなぁ..。






勉強を始めて、15分たったころかな?

私は、眠くなってきて、うとうとした。

ねむ..。

「ねぇねぇ。」

「ん?」

「ここの問題教えてくれない?」

笑顔で、耳打ちをされる。

ちょ、え?

どういうことか、照れてしまう。

「はいっ、!」

「えーと、えーと..。」

「んふふ、テンパってるね。急に耳打ちされて。」

「からかわないでくださいっ。」

むーっと口を尖らせる。

威嚇(?)したつもりだったが..

「かわいっ。すねてるとこ。食べちゃいたくなる。」

「えっ?」

やっぱり、いつもと違うよ..。

というか、食べるって..??

いやーな想像をしてしまう。

そんな事しないよね..?あはは

「というか、今日永井くんいつもと違う気がしますっ。」

「ん?今日は二人きりだからじゃない?俺にもわかんない。」

「なるほど..?」

二人きり..だから?

「まぁまぁ、。」

その後は、何事もなかったように勉強を進めたけど..。






事件は明日起こる。