季節は巡り、隣のあなたはいつでも美しい

 俺、須藤藤乃は父の小春と、双子の桔花と蓮乃の四人でエプロンを着けた。

 親父がはたき片手に指揮を執る。


「えー、藤乃は台所、俺は玄関からそれぞれ始めていきます。桔花は父さんの、蓮乃はじいちゃんの手伝いをしてください」

「あい!」「てちだいます!」


 そういうわけで、今日は大掃除の第一弾だ。

 第二、第三まである。

 造園屋と花屋の仕事がどちらも晦日、大晦日まであるから、我が家の大掃除は毎年交代制でそれぞれが少しずつやっていくのだ。

 とはいえ須藤家の基本方針として「妻が最優先」なので、母親と花音ちゃんには店番をしつつ花屋の店内や、造園屋で使っている倉庫をちょっとずつ掃除してもらい、家の中は親父と俺、そして子供たちがメインで掃除をしていく。


「桔花はまず冷蔵庫の中身を机に出していって」

「はあい。だしたみかん、たべていい?」

「……いいよ」


 桔花がみかんを食べている間に、俺はレンジ周りを掃除していく。レンジフィルターに洗剤をかけて、レンジフードとガスレンジを拭いて……。


「おとーさん、れいとうこと、やさいぜんぶだした」

「お、ありがとう。じゃあ引き出しの中を拭いておいて」

「あい」


 みかんを食べているだけかと思ったら、意外にも頼んだことをちゃんとやってくれたらしい。みかんが二個なくなってるのには目をつぶろう。

 俺はフィルターを掃除して、電子レンジや食器棚を拭いていく。

 桔花が冷蔵庫の引き出しを拭き終えたら、中身を一緒に戻して、そのまま上段も掃除した。

 その後はダイニングをざっと掃除して、おしまい。手を洗ってエプロンを洗濯機に突っ込んだら昼ごはんを作る。


「あー、疲れた」


 玄関と風呂の掃除を終えた親父が蓮乃と一緒にダイニングに顔を出した。


「おつかれ、飯できてるよ」

「蓮乃ー、飯にしよう」

「うん!」「きっちゃんもたべる!」


 親父と子どもらに昼ごはんを出していたら、妻の花音ちゃんも帰ってきた。


「ただいま。玄関がすごくきれいになってた」

「だろー? 蓮乃が頑張ってたから」

「はーちゃん、じいちゃんといっしょに、がんばった!」

「きっちゃんも、れいぞうこのそうじした!」

「二人とも頑張ったねえ」


 花音ちゃんが昼を食べ終えたら、母親が交代で食べに来て、双子と親父と同じような会話をしていた。


 俺も片付けをしたら、午後は顔なじみの神社に剪定に行かないといけない。

 あっちもこっちも煤払いで、まさに師も走る忙しさだった。