「佐野くんかっこいいから、柏谷さんしか釣り合わないと思うなあ」
――やめてほしい。
あたしを、あの男と同じレベルに並べないでほしい。
勝手に価値を測らないで。
私の隣に似合う男なんて、そこらへんにいていいわけがないし、絶対に許さない。
「じゃあ、その佐野くんのこと教えてくれない?」
声は、柔らかく、笑顔のまま。
でも内心は――まったく興味がない。
知りたくもない。
ああ、なんで昨日のあいつのせいで、私がこんな目に遭わなきゃいけないの。
心の中で、軽く舌打ちしながら、私はまた、完璧な“天使スマイル”を作る。
あんな男なんて、どうでもいい。


