部活終わりに帰ろうとしたら昇降口に須藤がいた。
でも、一年生の女の子に囲まれている。
どうしようかなあ。
スルーして帰ってもいいけど、きっと私を待ってるから、放置すると拗ねる。
――もう45日目だし、そろそろ負け犬じゃないって須藤にわからせたい。
「……っし」
深呼吸して、目をぎゅっと閉じる。
口をきゅっと結んで、ゆっくり緩めて笑顔を作った。
「藤也、お待たせ」
「おう、来ないかと思ったわ」
「私が藤也のこと置いて帰るわけないじゃん。帰ろ?」
須藤の手を掴んで引っ張る。
「うん、帰ろっか。じゃ」
彼は空いた方の手を女の子たちにヒラヒラ振って、歩き出した。
「……いいよ、笑っても」
「なんでだよ。練習の成果出てるじゃん。ちょっと棒読みだったけどさ。あはは」
結局笑ってるし!
でも私が掴んだ手は、優しく握り返されていた。
「今度から、それで呼んで」
「何が?」
やっと笑い終わった須藤が、私の顔を覗き込んだ。
「名前」
「……藤也?」
「うん」
須藤――いや、藤也はやけに嬉しそうに笑って、また前を向いた。
なんだか無性に、頭を撫でて欲しかった。
でも、一年生の女の子に囲まれている。
どうしようかなあ。
スルーして帰ってもいいけど、きっと私を待ってるから、放置すると拗ねる。
――もう45日目だし、そろそろ負け犬じゃないって須藤にわからせたい。
「……っし」
深呼吸して、目をぎゅっと閉じる。
口をきゅっと結んで、ゆっくり緩めて笑顔を作った。
「藤也、お待たせ」
「おう、来ないかと思ったわ」
「私が藤也のこと置いて帰るわけないじゃん。帰ろ?」
須藤の手を掴んで引っ張る。
「うん、帰ろっか。じゃ」
彼は空いた方の手を女の子たちにヒラヒラ振って、歩き出した。
「……いいよ、笑っても」
「なんでだよ。練習の成果出てるじゃん。ちょっと棒読みだったけどさ。あはは」
結局笑ってるし!
でも私が掴んだ手は、優しく握り返されていた。
「今度から、それで呼んで」
「何が?」
やっと笑い終わった須藤が、私の顔を覗き込んだ。
「名前」
「……藤也?」
「うん」
須藤――いや、藤也はやけに嬉しそうに笑って、また前を向いた。
なんだか無性に、頭を撫でて欲しかった。



