負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る

 今日はデートの練習で、須藤とプラネタリウムに来た。


「実家の手伝いで寒い思いしてるから、温かいところがいい」


 っていう須藤の要望だ。

 須藤、実家手伝ってるんだ。ってことは、お花屋さんやってんの?

 詳しく聞きたかったけど、嫌がりそうだから、それは我慢。


「おい、途中で寝るなよ」

「それはムリかも」

「何でだよ」


 隣の席で須藤が苦笑している。

 だって、温かいし、シートふかふかだし、入り口で借りた膝掛けもふわふわで、めっちゃ眠い。


「この膝掛けやばい。ベッドにあったら即寝だよ」


 半分に折っていた膝掛けを広げて、須藤の足にも乗せる。


「たしかに触り心地いいな、これ。売店で売ってるらしいぞ」

「えっ、買おうかな」


 その時、ブザーが鳴った。

 徐々に暗くなって、優しい声の解説が流れ始める。



 ……気づいたら終わっていた。


「やば……マジでなんも覚えてない」


 起き上がって隣を見ると須藤も寝てた。

 いつもムスッとしてるくせに、こうして見ると、ちょっとかわいいかも。


「須藤ー起きてー」

「ん……、なに、寝込み襲おうとしてた?」

「し、しないよ、そんなこと!」


 起きて伸びをした須藤が、私に手を差し出した。


「もう33日目だし、ちょっとは積極的になったかと思ったけど」

「なにそれ」


 寝起きだからか、重ねた手が温かい。