負け犬のメイサちゃんは100日後に本当の恋を知る

『おい、出かけるぞ』


 そんな横暴なニャインが来て、私は須藤と駅前で待ち合わせしてた。

 向かうと須藤はもう待っていた。


「お待たせ!」

「おお、悪いな、呼び出して。家にいるとうるせえんだ」


 珍しく須藤が肩を落とした。

 私にはあんなに強気なくせに、お母さんや妹さんに弱いのウケる。


「いいよ、私も暇してたし。何か行きたいとこある?」

「今日で25日。四分の一だ。デートの練習すんぞ。映画行こう」

「映画かあ」


 颯はアクション系が好きでよく一緒に観てたけど、私はあんま好きじゃなかったんだよね。

 須藤はどういう系観るのかなあ。


「デートっつったら恋愛ものか? メイサ、恋愛系映画好き?」

「うん、観たい! あのね、年末からやってるやつ気になってたの!」


 映画館に着いたら、ポップコーンにコーラ、チュロス、あとパンフも……。


「買いすぎだろ」


 須藤は呆れた顔でポップコーンとコーラを持ってくれる。

 二人でシートに並んでポップコーンに手を伸ばすと、須藤の手とぶつかった。


「あ、ごめん」

「こういうとき、食べさせてくれたらかわいいんだけど」

「た、食べさせてほしいっていいなよ」


 ニヤニヤ笑う須藤の口元にポップコーンを差し出す。

 大きな口に、指先がかすった。


「見過ぎ」

「ごめん、つい」

「いいよ、いくらでも見てて」


 それ、どういう意味なの。

 かすった指先が、熱い。