「のーわ?お仕置きしちゃうよ?」

「分かりましたっ、。」

おそるおそる、先輩の方に顔を向ける。

先輩は少し驚いてから、のわの方に近づく。

「乃羽の顔、真っ赤。かわいっ。」

ぼそっと、耳打ちをされて、手をぎゅっと握られる。

男の人と手を繋ぐのは初めて。

手を繋がれた手から、徐々に体温が上がってくるのがわかる。

まだ初恋もしてないのに、手を繋いじゃった..。

ていうか、今、乃羽って言ったよね!?

いつもは、乃羽ちゃんっていうのに...。

そして、だんだんと恥ずかしくなってきて、顔がかーっと赤くなっていく。

「からかわないでくださいっ。」

「可愛かったからさっ...。」

でも少し...嬉しい。

「可愛い」って言われたのが久しぶりだったから。

そんなに仲良い友達もいないし、家族にも大切にされない...。

なんで、のわを選んだんだろう。

のわ以外にめっちゃ可愛い子いるし、何の変哲も無い中学生なのに...。

「ん、そうだ。乃羽ちゃん。連絡先交換しよう。」

「連絡先っ...?良いですよ!」

カバンから、スマホを取り出して、パスワードを解除する。

そして、一瞬先輩の方を見ると、のわのスマホをじーっと見ていた。

「んへ!?」

も、もしかして...。

「パスワード見ちゃった!ラッキー」

「ええ!!!!」

やっぱり見たと思った...。

「見ちゃった」じゃなくて、「見た」だと思うんだけどね、。笑