僕の名前は宙音 そむ。

何処にでもいる中学三年生だ。

そして………今まさに受験真っ最中である。


これで僕の…僕のこれからが変わるんだ……。




1年前----------------

「宙音」

クラスの代表格のヤンキーが話しかける。

「はい!なんでしょう?」

このときの僕は無垢で自分と仲良くしようと

話しかけてきたんだと本気で思っていた。ま

ぁヤンキーから陰キャの僕に話しかけるなん

てパシり以外ないわけで、

「今からコーラ買って来てくんね?」

「んじゃ俺サイダー♪」

「で、ですが休み時間もう終わっちゃ……」

「あ?」

「…分かりました。他のメンバーの皆さんは
どうします?」

「おぉ!宙音は気ィきくなぁお前らどするー
?」

…こうして地獄の日々が始まった。

三ヶ月後

バシャッ

「ねぇ、これ違うんだけど、」

「ですが、頼まれた物が売り切れてまして、
それで…」

「誰の許可?」

「…ぇ?」

次の瞬間頬がかっと熱くなった。

殴られたのだ。

「パシりだろ?ちゃんと言われたの買ってこ
いよ!!!このくずが!」

「っ…………すみません、すみません、すみ
ませんっ…………」

周りの奴らにも殴られたり蹴られたり…

それでもクラスメイト達は見てみぬふり。

(もう慣れました。痛いのも辛いのも、)

「お友達の頼みだろ~w」

「ちゃんとしろよ女装癖」

ガヤが騒ぐ。

女装癖は僕のあだ名だ。なんでも顔が女顔だ

からって…理不尽だと思うが彼らに逆らう方

がずっと恐い。だから黙りこんでしまう。

「ったく…ちゃんとしやがれクズが」

行こーぜという声が遠くなる。

……変わりたい。

現実でだったら上手く、生きれない。

…じゃあネットは…?

一筋の希望が見えた。

ネットだったら、僕は絵も、自分で言うのも

なんだけど…上手いし。

顔も隠れる。

…声も中性的でちょうどいい。

高校に入ったらネットで生きてやる。

変わってやる。

中学の間は準備だ。

ゲーム上手くなって、絵も、歌も、お話も、

そんであいつらを見返してやる。

……そして今、準備が終わって今、比較的自

由度が高い高校、晴間高校の受験中だ。そし

てまぁまぁ偏差値が高い。

これで僕のこれからが変わる。

今までをぶつける。

変わる。

一週間後、

僕は合格していた。

ようやく『変われ』るんだ…!

ただスタートラインに立っただけなのに

柄にもなく僕は叫んだ。