2話
〇星奈の家、キッチン(夜)
星奈がお菓子を作りながら友達の美羽と通話している。作っているのはパウンドケーキ。
美羽「陰キャくん、相変わらずそんな感じなんだー」
星奈「前よりはミスも減ったんだけどね」
美羽「ふーん。そのうち歴戦のバイト戦士みたいになったりして」
星奈「あはは。そうなってくれるといいんだけどねー」
星奈が生地を流し込んだ型をオーブンに入れる。
美羽「ねー、今日はなに作ってるのー?」
星奈「はちみつのパウンドケーキ」
友達「えー美味しそー! 明日学校に持ってくる?」
星奈「もちろん。美羽に食べて貰うために焼いてるんだから」
美羽「やったー! 美羽、星奈の作るお菓子大好き!」
星奈M『美羽は、いつもわたしの作るお菓子を美味しい美味しいって言って食べてくれる』
星奈(だから作りがいがあるんだよなぁ)
美羽「あ、そうだ。いま画面触れる?」
星奈「うん、大丈夫だよ」
美羽「星奈に教えたい曲あるんだー。最近よく聴くから知ってるかもしれないけど!」
美羽が星奈に動画のリンクを送る。リンク先は碧(そらねむ)がアップしたshort動画。
星奈(あ、これ…湊くんの…)
星奈(新曲できたんだ)
星奈「これ、はじめて聴く」
美羽「そうなの? よかったー」
美羽「いまはサビしか聴けないけど、めっちゃよくない?」
美羽「ちょっと重めだけど、気持ちわかるんだよねー。他の子見て欲しくないし、名字にさん付けじゃなくて下の名前で呼んで欲しいしー」
星奈「美羽って、意外と独占欲強いよね」
友達「そーだよー。浮気なんてぜっったい許せないもん!」
星奈(湊くんって、こんな曲も作れるんだ)
星奈(恋愛系の曲はなかったもんなぁ。新たな一面発見かも)
〇時間経過。数日後。ファミレス(昼)。バックヤード
休憩中。椅子に座ってスマホを見ている碧。星奈が中に入ってくる。
星奈「湊くん、おつかれー」
碧「あ…お疲れ様です」
星奈「そうだ。新曲、すごいよかったよ!」
碧「え…聴いてくれたんですか?」
星奈「うん。なんか、今までの曲とは違う感じだね」
碧「はい…ちょっと、新しい挑戦っていうか…」
星奈の視界に碧のスマホの画面が。画面には碧(そらねむ)が先日アップした動画が映っている。動画の再生数は星奈が見た時より増えていて、プチバズリ中。
星奈「えぇ!?」
碧「えっ、な、なんですか!?」
星奈「ごめん、スマホ見えちゃって…」
星奈「再生数、前より伸びてるね!」
碧「ああ…はい…。なんか、色んなとこで使われてるみたいで…。それで、こっちも見に来るみたいです」
星奈「すごいね! おめでとう!」
碧「ども…」
照れくさそうな表情の碧。
星奈(あ、その顔ちょっとかわいい)
星奈「登録者も増えた?」
碧「はい…ありがたいことに、じわじわ伸びてますね」
星奈「なら、収益化もできるんじゃない? そのお金で、新しいパソコン買えるかも」
碧「…どうですかね…。shortは、普通の動画より安いらしいんで…」
星奈「えーそっかぁ…」
碧「まあ…」
碧「動画で稼げて、目標達成しても…ここは辞めないですけど…」
星奈「湊くんは、ここが好きなんだね」
碧「……」
碧「…たしかに、ここは好きです。みんな…俺みたいなやつにも、優しくしてくれるし…」
碧「でも…一番の理由は違います」
顔を上げて星奈を見つめる碧。
碧「俺、櫻井さんが好きです」
碧「ここ辞めたら、櫻井さんのと接点がなくなるんで…。だから、ここからいなくなる気、ないです」
驚いた後、気まづそうな表情を浮かべる星奈。
星奈「え、えっ、と…」
碧「…その曲の歌詞」
碧「櫻井さんのこと考えて書いたんです」
碧「俺、ずっとスランプで…。でも、櫻井さんのこと考えてたら、言葉が次から次へと浮かんできて」
碧「きっと、櫻井さんが」
星奈「ちょ、ちょ、ちょっと待った!」
星奈「えーと…ごめんなさい! わたし、朝倉くんのこと、そういうふうに…見れ、なくて…」
碧「…俺が陰キャコミュ障の頼りない男だからですか?」
星奈「そういうわけじゃなくて! その…友達っていうか…バイト仲間っていうか…」
星奈「ともかく、ごめんなさい!」
星奈のスマホのアラームが鳴る。
星奈「あ! 休憩終わりだね!」
星奈「じゃ、じゃあ、わたし先に行ってるね!」
星奈がバックヤードを出ていく。取り残された碧はため息をつく。
碧「…逃げられた」
〇星奈の家、キッチン(夜)
星奈がお菓子を作りながら友達の美羽と通話している。作っているのはパウンドケーキ。
美羽「陰キャくん、相変わらずそんな感じなんだー」
星奈「前よりはミスも減ったんだけどね」
美羽「ふーん。そのうち歴戦のバイト戦士みたいになったりして」
星奈「あはは。そうなってくれるといいんだけどねー」
星奈が生地を流し込んだ型をオーブンに入れる。
美羽「ねー、今日はなに作ってるのー?」
星奈「はちみつのパウンドケーキ」
友達「えー美味しそー! 明日学校に持ってくる?」
星奈「もちろん。美羽に食べて貰うために焼いてるんだから」
美羽「やったー! 美羽、星奈の作るお菓子大好き!」
星奈M『美羽は、いつもわたしの作るお菓子を美味しい美味しいって言って食べてくれる』
星奈(だから作りがいがあるんだよなぁ)
美羽「あ、そうだ。いま画面触れる?」
星奈「うん、大丈夫だよ」
美羽「星奈に教えたい曲あるんだー。最近よく聴くから知ってるかもしれないけど!」
美羽が星奈に動画のリンクを送る。リンク先は碧(そらねむ)がアップしたshort動画。
星奈(あ、これ…湊くんの…)
星奈(新曲できたんだ)
星奈「これ、はじめて聴く」
美羽「そうなの? よかったー」
美羽「いまはサビしか聴けないけど、めっちゃよくない?」
美羽「ちょっと重めだけど、気持ちわかるんだよねー。他の子見て欲しくないし、名字にさん付けじゃなくて下の名前で呼んで欲しいしー」
星奈「美羽って、意外と独占欲強いよね」
友達「そーだよー。浮気なんてぜっったい許せないもん!」
星奈(湊くんって、こんな曲も作れるんだ)
星奈(恋愛系の曲はなかったもんなぁ。新たな一面発見かも)
〇時間経過。数日後。ファミレス(昼)。バックヤード
休憩中。椅子に座ってスマホを見ている碧。星奈が中に入ってくる。
星奈「湊くん、おつかれー」
碧「あ…お疲れ様です」
星奈「そうだ。新曲、すごいよかったよ!」
碧「え…聴いてくれたんですか?」
星奈「うん。なんか、今までの曲とは違う感じだね」
碧「はい…ちょっと、新しい挑戦っていうか…」
星奈の視界に碧のスマホの画面が。画面には碧(そらねむ)が先日アップした動画が映っている。動画の再生数は星奈が見た時より増えていて、プチバズリ中。
星奈「えぇ!?」
碧「えっ、な、なんですか!?」
星奈「ごめん、スマホ見えちゃって…」
星奈「再生数、前より伸びてるね!」
碧「ああ…はい…。なんか、色んなとこで使われてるみたいで…。それで、こっちも見に来るみたいです」
星奈「すごいね! おめでとう!」
碧「ども…」
照れくさそうな表情の碧。
星奈(あ、その顔ちょっとかわいい)
星奈「登録者も増えた?」
碧「はい…ありがたいことに、じわじわ伸びてますね」
星奈「なら、収益化もできるんじゃない? そのお金で、新しいパソコン買えるかも」
碧「…どうですかね…。shortは、普通の動画より安いらしいんで…」
星奈「えーそっかぁ…」
碧「まあ…」
碧「動画で稼げて、目標達成しても…ここは辞めないですけど…」
星奈「湊くんは、ここが好きなんだね」
碧「……」
碧「…たしかに、ここは好きです。みんな…俺みたいなやつにも、優しくしてくれるし…」
碧「でも…一番の理由は違います」
顔を上げて星奈を見つめる碧。
碧「俺、櫻井さんが好きです」
碧「ここ辞めたら、櫻井さんのと接点がなくなるんで…。だから、ここからいなくなる気、ないです」
驚いた後、気まづそうな表情を浮かべる星奈。
星奈「え、えっ、と…」
碧「…その曲の歌詞」
碧「櫻井さんのこと考えて書いたんです」
碧「俺、ずっとスランプで…。でも、櫻井さんのこと考えてたら、言葉が次から次へと浮かんできて」
碧「きっと、櫻井さんが」
星奈「ちょ、ちょ、ちょっと待った!」
星奈「えーと…ごめんなさい! わたし、朝倉くんのこと、そういうふうに…見れ、なくて…」
碧「…俺が陰キャコミュ障の頼りない男だからですか?」
星奈「そういうわけじゃなくて! その…友達っていうか…バイト仲間っていうか…」
星奈「ともかく、ごめんなさい!」
星奈のスマホのアラームが鳴る。
星奈「あ! 休憩終わりだね!」
星奈「じゃ、じゃあ、わたし先に行ってるね!」
星奈がバックヤードを出ていく。取り残された碧はため息をつく。
碧「…逃げられた」
