無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜

もちろん包丁くらいは週に何度かは持つが、たいていは肉や野菜を大雑把に切るだけのことしかしてこなかった。
ネギのような細いものを細かく切るなんて、けっこう難しい作業だ。

包丁とネギに意識を集中する。
その横で、千沙さんがてきぱきと鍋を火にかけ二人分のご飯と卵、鮭フレークを出す。
俺がネギを切るのに悪銭苦闘しはじめた横で、千沙さんが卵を溶く。
ただでさえ狭いキッチンをふたりで使うのは窮屈だろうなと思って気づいた。
俺が隣にいて彼女は怖くないだろうか?

「ごめんな、狭くて」
「いえ、そんなことないですよ。私の部屋よりずっと広くて使い勝手がいいです」

本当だろうか。強がっているのではないか――なんて考えながら包丁を動かすと、彼女が遠慮がちに声をかけてきた。

「あの、ちょっとよろしいですか?」
「うん?」
「ごめんなさい、指が心配でしたので」