無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜

それに千沙さんは明日も仕事だ。
軽いもので済ませて早く寝たいのかもしれない。

「ごめん。俺が何か作ればいいのにな。料理は全然練習してこなかったから……」
「そんな。私は湊さんが美味しいって食べてくださるのがすごく嬉しいから、全然苦じゃないんですよ」

にっこりと笑う顔に胸が温かくなる一方で、突き動かされるような気持ちにかられる。

「俺も料理を覚えようかな」
「え?」
「教えてもらえないだろうか?」

千沙さんの負担を減らすために、彼女に無理をお願いするのはおかしな話だ。
しかし、仕事で疲れている彼女を働かせて、黙って食事を待っているような男にはなりたくなかった。
もちろん、彼女が不在の時は自分で練習をするつもりだ。
今夜は基本的なことだけ教えてもらえたら心強い。

じっと千沙さんを見つめ続けると、彼女は顔を赤らめて、うつむくようにうなずいた。

「わかりました。ではよろしくお願いします」
「ありがとう。がんばるよ、先生」
「せ、先生だなんて……!」
「どうして? 子どもたちからはいつも呼ばれているだろう?」
「そうですけれども……湊さんから呼ばれると全然ちがうから……」

もごもごと何か言いたげだったが、彼女は気持ちを切り替えたようだ。

「じゃあまずは、ネギを切っていただけますか?」