無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜

とてもいい人だと思っている。
けど、恋愛感情を抱くにはあまりに早すぎる。ちょっと前まで記憶のかなたにいた人だ。

妹と言われて、胸がちくっとしたけれども……それはきっと、湊さんがあまりにかっこよくて白馬の王子様みたいだからだ。
素敵な芸能人みたいに感じて、憧れているだけ……そうに決まってる……。

そんなことを考えて口をつぐんでしまった私に、主任は慌てたようだった。

「ごめん変なこと聞いて。プライバシーだったな、忘れてくれ。――実はさ、まだ公表はされていないんだけど、ここから歩いてすぐのマンションを最近うちの病院が買い取ったんだ。職員寮として活用するために。そういった事情なら、きみを優先的に入居できるよう打診してみようか?」
「え……本当ですか?」

職場から歩いてすぐなら通勤経路に不安を覚えることはない。
それにここは夜中も頻繁に車や人の往来が激しい地域だ。犯人も犯行におよびづらいだろう。

湊さんの厚意を無下にして申し訳ないと思ったけれども、そうした方がきっと自分や彼のためになるはず。

「……じゃあ、お願いできますか?」
「うん、じゃあ話してみるよ」

主任は笑顔でうなずいてくれた。

「おはよーございまーすって、ふたりで真面目な顔をして何話してるんですか?」