無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜

「いくら警察官とはいえ、男とひとつ屋根の下ってのはどうかな……。正直、きみのこともそうだけど、相手のことも心配だ」
「心配、ですか……?」

上司は小さく頷き、それから少しトーンを落とした。

「……警察官といえば公務員だし、そういう職場って、きっとまだ封建的なところもあるだろ? 世間体とか、出世とかさ。……後ろ盾を考えたお見合い結婚とかもあるんじゃない?」

的を射た意見に、お見合い話を断っていた湊さんを思い出した。

彼は迷惑にしていたけれども、もしかしたら会ってみたら思いのほか素敵な女性だったという場合もあったかもしれない。

仕事漬けの兄は、美湖さんと出会ったことで、よりいっそう仕事に集中するようになった。
湊さんにもそういう存在がいるべきなんじゃないだろうか。

もし彼にパートナーにしたいと思うような方が現れたら、私は間違いなく邪魔だ。
私がいることで、湊さんが幸せになる機会を逃してしまったら……。

「……えっと、きみさ、その人のこと、好きなの?」
「え?」

好き……?