無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜

「私が湊さんみたいな人と釣り合うわけないじゃない!」
「釣り合う釣り合わないの問題じゃない。現にそういう気持ちがあるん――」
「気持ち?」

何言ってるの? と思いながら首をかしげると、兄はうっと言葉に詰まった。

「そうだ、千紗ちゃん。この前おいしいって言ってたお店のケーキ、買ってあるんだけど、食べない?」

唐突に、美湖さんが話に入ってきた。

「え! 食べたいです!」

甘いものに目がないのは、お互い一緒だ。
テンションが上がって、美湖さんがお茶を用意するのを手伝いに立った。

兄はそれから湊さんの話はしなかった。




そうして、日曜の夜に帰宅した。
湊さんはすでに夕食を終え、寝る支度をしているところだった。
朝が早いから、夜も自然と早くなるのだろう。

「ありがとうございました。兄も美湖さんも、元気そうでした」
「そうか。ふたりに会えて、きみもリフレッシュできたみたいだな」
「リフレッシュというか、相変わらず自由な兄に困りました。『あいつと寝室は一緒なのか?』なんて聞いてきたんですよ? もう」

私が思い出して頬を膨らませると、一緒にあきれてくれると思っていた湊さんは、何故だか顔を赤くして苦笑した。