「私が湊さんみたいな人と釣り合うわけないじゃない!」
「釣り合う釣り合わないの問題じゃない。現にそういう気持ちがあるん――」
「気持ち?」
何言ってるの? と思いながら首をかしげると、兄はうっと言葉に詰まった。
「そうだ、千紗ちゃん。この前おいしいって言ってたお店のケーキ、買ってあるんだけど、食べない?」
唐突に、美湖さんが話に入ってきた。
「え! 食べたいです!」
甘いものに目がないのは、お互い一緒だ。
テンションが上がって、美湖さんがお茶を用意するのを手伝いに立った。
兄はそれから湊さんの話はしなかった。
※
そうして、日曜の夜に帰宅した。
湊さんはすでに夕食を終え、寝る支度をしているところだった。
朝が早いから、夜も自然と早くなるのだろう。
「ありがとうございました。兄も美湖さんも、元気そうでした」
「そうか。ふたりに会えて、きみもリフレッシュできたみたいだな」
「リフレッシュというか、相変わらず自由な兄に困りました。『あいつと寝室は一緒なのか?』なんて聞いてきたんですよ? もう」
私が思い出して頬を膨らませると、一緒にあきれてくれると思っていた湊さんは、何故だか顔を赤くして苦笑した。
「釣り合う釣り合わないの問題じゃない。現にそういう気持ちがあるん――」
「気持ち?」
何言ってるの? と思いながら首をかしげると、兄はうっと言葉に詰まった。
「そうだ、千紗ちゃん。この前おいしいって言ってたお店のケーキ、買ってあるんだけど、食べない?」
唐突に、美湖さんが話に入ってきた。
「え! 食べたいです!」
甘いものに目がないのは、お互い一緒だ。
テンションが上がって、美湖さんがお茶を用意するのを手伝いに立った。
兄はそれから湊さんの話はしなかった。
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そうして、日曜の夜に帰宅した。
湊さんはすでに夕食を終え、寝る支度をしているところだった。
朝が早いから、夜も自然と早くなるのだろう。
「ありがとうございました。兄も美湖さんも、元気そうでした」
「そうか。ふたりに会えて、きみもリフレッシュできたみたいだな」
「リフレッシュというか、相変わらず自由な兄に困りました。『あいつと寝室は一緒なのか?』なんて聞いてきたんですよ? もう」
私が思い出して頬を膨らませると、一緒にあきれてくれると思っていた湊さんは、何故だか顔を赤くして苦笑した。



