無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜


「で、どうなんだ。湊との同居は?」

一泊二日の荷物を部屋に置いてリビングへ行った早々、兄にそう聞かれた。

「どうって……」

やたらにニヤニヤしている兄を怪しく思いながら返す。

「よくしていただいてるよ。部屋も家具も自由に使わせてもらっているし。不便なことがないか、すごく気にかけてくださるし……」
「寝室は一緒なのか?」
「なっ……!」

思わず声が裏返った。

「そんなわけないでしょ! 空いてる部屋を使わせてもらってます!」
「なんだ」

なんだって、そこでどうしてがっかりしてるの?

キッチンでは美湖さんが苦笑している。

今日は同居を始めて最初の土曜日。
週末は兄の家に滞在することが同居を決めた理由の一つだった。
これなら週末が休みの湊さんもひとりでゆっくりできるし、私も気を使わなくていい。
新婚夫婦の週末にお世話になるのは気が引けたけれど、兄も急患で家を空けることが多かった。
なら、美湖さんと女性ふたりで仲良く過ごすのもいいね、ということで話がまとまったのだ。