初恋を知ったかのように、俺は浮かれていた。
それでいて、怖がられていた男として、どう距離を縮めていいか途方に暮れた。
だから、誠から相談を受けたとき、今しかないと心が決まった。
もちろん、すぐにでも恋人になりたいなどと強引な願望は抱いていなかった。
マイナスだった印象が払拭されて、少しでもプラスに変わっていければよかった。
それから俺の気持ちを伝えて、彼女に俺を選ぶかどうか委ねたかった。
そういった思いとこれまでの経緯を包み隠さず話すと、誠は感激し「おまえの初恋を全力で応援してやる」と意気込んだ。
話を聞いた妻の美湖さんも、千沙さんの説得に協力してくれた。
そして今、彼女が笑って作ってくれた朝ごはんを一緒に囲んでいる。
(……本当に、夢みたいだ)
胸の奥がじんわり熱くなり、もう一度卵焼きを噛みしめた。
「本当に美味いよ。栄養バランスもばっちりだし。よく見たらこの卵焼きにもシラスが入っているんだな」
「ありがとうございます。その卵焼きはお魚嫌いの園児を持つ保護者さんに提案したものなんです。手軽に食べられてカルシウムもとれます」
「シラスの風味が広がって味もさらに美味くなるな」
「よかった。お子さんの好き嫌いに悩む保護者はたくさんいるので、一緒にレシピを考えこともあるんです。保護者のサポートをするのも保育士の務めですから」
それでいて、怖がられていた男として、どう距離を縮めていいか途方に暮れた。
だから、誠から相談を受けたとき、今しかないと心が決まった。
もちろん、すぐにでも恋人になりたいなどと強引な願望は抱いていなかった。
マイナスだった印象が払拭されて、少しでもプラスに変わっていければよかった。
それから俺の気持ちを伝えて、彼女に俺を選ぶかどうか委ねたかった。
そういった思いとこれまでの経緯を包み隠さず話すと、誠は感激し「おまえの初恋を全力で応援してやる」と意気込んだ。
話を聞いた妻の美湖さんも、千沙さんの説得に協力してくれた。
そして今、彼女が笑って作ってくれた朝ごはんを一緒に囲んでいる。
(……本当に、夢みたいだ)
胸の奥がじんわり熱くなり、もう一度卵焼きを噛みしめた。
「本当に美味いよ。栄養バランスもばっちりだし。よく見たらこの卵焼きにもシラスが入っているんだな」
「ありがとうございます。その卵焼きはお魚嫌いの園児を持つ保護者さんに提案したものなんです。手軽に食べられてカルシウムもとれます」
「シラスの風味が広がって味もさらに美味くなるな」
「よかった。お子さんの好き嫌いに悩む保護者はたくさんいるので、一緒にレシピを考えこともあるんです。保護者のサポートをするのも保育士の務めですから」



