無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…！〜

叶ったのは、披露宴を終えて、親族が参席者を見送る時だった。
彼女は参列者に記念品を渡す係だった。
その時に一言だけ、とりとめのない会話を交わした。

「この度はおめでとうございます。ご家族の思いが伝わって、とても良い式でした」

心を込めて伝えると、彼女も俺をしっかりと見返して微笑んだ。

「ありがとうございます。今日はお会いできて光栄でした」

親族としての社交辞令なのはわかっていた。
だというのに、彼女の美しい微笑みと愛らしい声は、俺の心をまっすぐに射抜いた。

完全に恋に落ちた。

こんなことは初めてだった。
女性と付き合ったことは何度かあったが、交際を申し込んできたのはすべて向こうからで、どの交際も本気の恋とはいいがたいものだった。