無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜

最初に見たときは、誰にかに似ているなと思う程度で、あの誠の妹だとは全く気付かなかった。
子どもたちに溶け込んでしまいそうな小さな体と、明るくて愛らしい笑顔が印象的だった。
それでいて、車や人の往来が激しい周囲に気を配りながら、しっかりと子どもたちを守ろうとしている姿も見受けられて、頼もしさも感じた。

凶悪犯罪や痛ましい事件に囲まれる生活を送る中で、束の間見かける彼女たちの無邪気な様子が癒しとなっていた。

そんなある日だった。
いつものように千沙さんと園児が公園で遊んでいると、柄の悪い若者が数人やってきて、たむろした。
煙草を吸って飲食をし、ごみを捨てたりしはじめると、子どもたちはおびえ、いつものように元気よく公園内を走り回ろうとしなかった。

若者が大声で笑ったりすると、千沙さんに抱き着いて怖がる子もいた。
彼女も困っている様子だった。

俺もいただけないと思った。公園はすべての市民のものだが、ごみ捨てや大声で喚くなどの迷惑行為は許されない。
出て行って、彼らを注意しようかと思ったその時だった。

千沙さんが思いきって若者たちに近づき、毅然 と注意しはじめたのだ。