無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜

三十歳を超えた今でも、誠とは年に数回連絡を取り合う仲だった。だが、互いに忙しくしていたため、会うことはほとんどなかった。

そこにきて最近誠が結婚したことで、結婚式に出席。
久しぶりの再会を果たした気に、また連絡を取り合うようになった。
そして、「ちょっと相談したいことがあるから、今度飲みに行かないかと」誘われて、そこで千沙さんの被害の相談を受けた。

ただ事ではないと思った。
ストーカー被害は年々深刻化し、軽い嫌がらせから突然エスカレートする事例も多い。

俺は迷わず「手伝わせてくれ」と口にしていた。
誠は感謝してくれたが、同居の話を切り出すと、当然ながら渋い顔をした。
大切な妹を、友人とは言え男の家に同居させるなど、兄として受け入れがたいことだ。

だから俺は観念して、誠に全部話した。

実は、千紗さんのことを前から知っていた。
一度も話したことがないのに、ずっと片想いしていた、と。

今から約二年前。
SATから今の警察署の捜査一課へ転属になった頃だ。

署の窓から見える公園に、定期的に保育園の子どもたちが来ていた。
その中に、保育士として働く彼女がいた。