無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜

心がそう感じた。
大人になったつもりだったのに、私はまだまだ小学生のままだった。
トラウマがあるとは言え、こんな人を見かけだけで判断するなんて、あらためなくてはならない。

「無理はしなくていいよ。トラウマはそう簡単に克服できるものじゃない。すこしずつ慣れてくれればいい。俺も頑張るから」

すこしずつ――その言葉がほっとさせてくれた。
私は湊さんをまっすぐに見つめ、笑った。

「ありがとうございます。今日からどうぞよろしくお願いします」
「うん、よろしく」

コンと鳴らして、マグカップで乾杯をした。

湊さんは焼き菓子をおいしいと喜んでくれた。
意外と甘いものが好きなのかなと思うと、また胸がほんのり温かくなる。

彼が買ってくれたマグカップで飲むコーヒーはとてもおいしかった。